費用対効果に優れた現実的な津波対策を地域に

南海トラフ巨大地震への備えが全国で進められています。各地の自治体では、津波避難タワーや巨大な防潮堤といったハードインフラ整備が中心となっており、その総額は数千億円にのぼるとも言われます。

しかしその一方で、国の最新の被害想定(2025年発表)では、死者数の大幅な減少は依然として確認されていません。莫大なコストに見合う実効性が、本当に担保されているのでしょうか?

私たち「津波セーフプロジェクト」は、このような現状に対し強い危機感を抱き、「第三の避難手段」としての現実的で費用対効果に優れた津波対策の普及を目指す草の根運動を展開しています。


なぜ“現実的な対策”が必要なのか?

津波対策は、地域によって条件が大きく異なります。とりわけ深刻なのが、「津波避難困難地域」と呼ばれる、平地で高台が遠く、津波の到達までに5〜10分しか猶予がないような場所です。

こうした場所では、水平方向の「高台への避難」も、垂直方向の「避難タワーへの避難」も間に合わない可能性があります。特に寒冷地の夜間や就寝中、高齢者・子ども・障がい者など、気候的・身体的・時間的制約を抱える人々にとっては、迅速な避難行動そのものが極めて困難です。

さらに、沿岸部の多くの自治体では、人口密集地域が点在しているため、限られた数の津波避難タワーや防潮堤だけでは、住民全体を網羅的にカバーすることができない現実があります。タワーの設置場所まで間に合わない地区や、防潮堤が届かない集落が存在し、対策の“空白地帯”が残されているのです。

加えて、想定を超える津波の高さに対しては、現行のインフラではなす術がないことも大きな課題です。実際、2011年の東日本大震災では、多くの防潮堤や避難施設が津波に越えられ、十分な避難時間を確保できなかったことが、多数の犠牲につながりました。

こうした背景からも、「逃げられないときに生き残るための備え」=第三の避難手段の必要性が高まっています。


ハードインフラの“見えにくい”コスト

防潮堤や避難タワーは一見すると安心感がありますが、建設・維持には非常に高額な費用がかかります。

設備初期コスト(概算)備考
津波避難タワー(1基)約3億円設計・施工・地盤改良含む
防潮堤(1km)約32億円建設・地盤整備・環境影響も含む

これらは主に公費で整備されますが、限られた予算をどこにどう使うべきか、改めて考える必要があるのではないでしょうか?


【第三の避難手段】命を守る装備の提案

私たちは、津波からの生存率を高める「第三の避難手段」として、以下の現実的な装備の導入を提案しています。

● 自動膨張救命いかだ(LSAコード準拠)

  • 数分で自動膨張し、複数人が避難可能(100人程度収容可能な大型製品もある)
  • 耐衝撃性・耐浮力・防水性に優れる(SOLAS条約により一定の基準をクリア)
  • 波に乗って流されても生存可能
  • 1人あたり約5〜6万円(4〜12人用いかだ)

● 津波救命艇・津波シェルター(固定型FRP構造)

  • 高耐久FRP製で津波・漂流に耐える
  • 自宅横や公園などに常設可能
  • 数人〜十数人が同時に避難可能
  • 地域用・高齢者施設用にも適応可能
  • 1人あたり約20〜23万円(津波シェルター)、1人あたり約35〜45万円(津波救命艇)

● ライフジャケット(着用型)

  • 着用するだけで浮力を確保
  • 津波に巻き込まれても浮き続けやすくなる
  • 訓練とセットで効果向上
  • 寒冷地にはお勧めできない
  • 1人あたり数千円程度

同じ予算なら、何人を守れるか?

もし同じ予算を使って「避難装備」を配備した場合、どれだけ多くの人を守れるかを試算してみました。

対策コスト救命いかだ配備に換算すると…
避難タワー1基約3億円約5,454人分
防潮堤1km約32億円約58,181人分

もちろん、すべてを置き換えるべきという話ではありませんが、「命を守る最後の手段」として、これだけ多くの人に機材を行き渡らせることが可能なのです。


自治体人口と照らしてみると…

以下は、津波リスクが高い一部自治体と、その人口規模です。

自治体人口(概算)タワー1基でカバー可?防潮堤1kmでカバー可?
静岡県・御前崎市約30,000人✅(6基相当)✅ 可能
和歌山県・串本町約15,000人✅ 可能✅ 可能
宮崎県・日南市約47,000人✅(9基相当)✅ 可能
高知県・黒潮町約10,000人✅ 可能✅ 可能
三重県・尾鷲市約15,000人✅ 可能✅ 可能

これらの例からも、現実的な装備を備えることで、全住民をカバーできる自治体が多いことがわかります。


垂直・水平避難を否定しているわけではありません

私たちは、タワーや高台への避難を否定しているのではありません。それが可能な人・地域では、まず優先されるべきです。

特に、寒冷地で路面凍結した夜間や地震直後に「走れない」「登れない」状況が生まれることは避けられません。そうしたとき、それでも生き残る手段として、第三の選択肢を備えておくことが命を守る現実的な方法だと考えます。


「津波セーフプロジェクト」の志

私たちは、単なるコスト比較や批判ではなく、「命を守る選択肢の多様化」を訴えたいのです。

  • 国主導のインフラ整備だけではカバーしきれない命がある
  • 自治体や住民が“自分たちで選ぶ”柔軟な防災策が必要
  • 津波避難困難地域や弱者を想定した実践的対策が求められている

「逃げられないときでも、生き残る」
この理念のもと、私たちは今後も、住民主体・地域密着の津波対策を模索していきます。


最後に:命を守る“現実的な備え”を地域から

  • 高額な公共インフラだけに頼らない
  • 家庭で備えられる命の手段を広める
  • 「走れなくても、生き残れる」社会を目指す

いま、あなたの自治体、地域でも、この対話を始めてみませんか?
すでに「ピン!」と来た、危機感の”アンテナ”が高い自治体や施設とは対話をし始めています。


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