概要
東日本大震災の巨大津波のメカニズムを解明する研究者たちの取り組みを紹介し、その知見が南海トラフ地震の津波対策にどのように活かされるのかを解説します。特に、津波を引き起こす要因の一つである「スメクタイト粘土」に焦点を当て、その含有率が地震の規模や津波の高さに与える影響について詳しく解説します。
内容
1. 東日本大震災の巨大津波:定説を覆した浅部断層の破壊
2011年の東日本大震災では、プレート境界の浅い部分が一気に50mも動くという、従来の定説を覆す現象が発生し、巨大津波を引き起こしました。この現象を解明するため、JAMSTEC(海洋研究開発機構)などの研究チームは、震災の翌年に津波を引き起こしたプレートの浅い部分(水深7000m地点)の掘削調査を実施しました。
2. スメクタイト粘土の謎:断層を滑りやすくする特殊な粘土
調査の結果、プレート境界断層の浅い部分には、「スメクタイト粘土」という火山灰の堆積物が全体の80%を占めていることが判明しました。スメクタイト粘土は、水に濡れると非常に滑りやすくなる性質があり、断層の摩擦を低下させ、プレートの急激なずれを引き起こす要因の一つと考えられています。
3. 南海トラフ地震への応用:スメクタイト粘土の含有率の違い
南海トラフの調査でも、プレート境界の浅い部分にスメクタイト粘土が見つかりましたが、その割合は東北よりもはるかに低い(全体の20%程度)ことが分かりました。研究チームは、東北と南海トラフそれぞれの割合でスメクタイト粘土を入れた試験体を作成し、地震発生時と同じ高温高圧状態で力を加え、滑りやすさを比較しました。その結果、スメクタイト粘土の割合が低い南海トラフでも、浅い部分は滑りやすいことが判明しました。
4. 南海トラフ地震シミュレーション:過去のデータから未来を予測
JAMSTECの堀高さんは、過去に南海トラフ地震が起きた時間感覚やプレートの形状、断層の形などの調査データを入力し、地球シミュレーターというスーパーコンピューターで南海トラフ地震の発生シミュレーション研究を行っています。その結果、東側で地震が起きた後に西側で地震が起こるパターンがほとんどですが、東側と西側がほぼ同時に割れるパターンもありました。
5. 南海トラフ地震の脅威:揺れと津波への備え
シミュレーションの結果から、次の南海トラフ地震は、これまでよりも規模が大きくなる可能性があり、強い揺れと巨大な津波が想定されます。特に、震源が近い場所では、津波がすぐに到達する可能性があるため、事前の避難計画の策定や避難場所の確認が重要です。
6. 東日本大震災の教訓:スメクタイト粘土の謎を解き明かし、未来の防災へ
東日本大震災の教訓を活かし、スメクタイト粘土の謎を解き明かすことで、南海トラフ地震の津波予測精度が向上し、より効果的な防災対策を講じることが可能になります。日頃から津波防災に関する知識を深め、万が一の事態に備えましょう。
まとめ
この記事では、東日本大震災の巨大津波のメカニズムを解明する研究者たちの取り組みを紹介し、その知見が南海トラフ地震の津波対策にどのように活かされるのかを解説しました。スメクタイト粘土の含有率が地震の規模や津波の高さに与える影響を理解し、日頃から津波防災に関する知識を深めることが重要です。


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