はじめに
近年、能登半島地震や南海トラフ地震臨時情報の発表など、日本列島では地震への危機意識が高まっています。静岡県では、県民の皆様の地震に対する意識や対策の現状を把握するため、毎年「南海トラフ地震に関する県民意識調査」を実施しています。今回は、令和6年度の調査結果を基に、現状の傾向と課題をまとめました。

調査概要
- 調査目的: 大規模地震に対する県民の意識や対策の実施状況、経年変化の把握
- 調査期間: 令和6年12月~令和7年1月
- 調査方法: インターネットアンケート
- 回答者数: 3,782人
調査結果のポイント
- 南海トラフ地震への関心:
- 「非常に関心がある」と回答した人が76.1%と高い水準を維持。
- 臨時情報発表後、関心度がさらに上昇。
- 地震発生時の避難行動:
- 「揺れを感じたら直ちに避難する」という回答が53.3%。
- 早期避難意識は高いものの、昨年度の地震発生後と比較すると若干低下。
- 家庭内備蓄の状況:
- 食料・飲料水の備蓄は9割以上と高いものの、携帯トイレの備蓄は6割程度。
- 7日分以上の備蓄がある人の割合は増加傾向にあるものの、備蓄量の偏りが見られる。
- 南海トラフ地震臨時情報の認知度:
- 「内容を概ね理解している」と回答した人が76.6%と高い認知度。
- 臨時情報発表後、認知度がさらに上昇。
- 自主防災組織への参加:
- 自主防災組織の活動参加率は上昇傾向にあり、コロナ禍前を上回る。
調査結果詳細
南海トラフ地震への関心
能登半島地震や度重なる緊急地震速報により、県民の皆様の地震への関心は非常に高い状態です。南海トラフ地震に対する関心も同様に高く、「非常に関心がある」と回答した方は76.1%に達しました。これは、過去の調査結果と比較しても高い水準であり、県民の皆様の危機意識の高さがうかがえます。
地震発生時の避難行動
地震発生時の避難行動については、「揺れを感じたら直ちに高台や避難ビルに避難する」という回答が最も多く、53.3%でした。しかし、昨年度の能登半島地震発生後の調査と比較すると、避難意識は若干低下しています。これは、地震から時間が経過したことで、危機感が薄れてきている可能性を示唆しています。
家庭内備蓄の状況
家庭内備蓄の状況については、食料や飲料水の備蓄は9割以上と高い水準を維持しています。しかし、携帯トイレの備蓄は6割程度にとどまっており、依然として課題が残ります。また、備蓄量についても偏りが見られ、7日分以上の備蓄がある人の割合は増加傾向にあるものの、1~3日分の備蓄にとどまっている人も少なくありません。
南海トラフ地震臨時情報の認知度
南海トラフ地震臨時情報の認知度は非常に高く、「内容を概ね理解している」と回答した人は76.6%に達しました。これは、県や市町村による防災啓発活動の成果であると考えられます。しかし、依然として内容を知らない人もいるため、更なる周知が必要です。
自主防災組織への参加
自主防災組織への参加率は上昇傾向にあり、コロナ禍前の水準を上回っています。これは、地域における防災活動への関心が高まっていることを示しています。しかし、参加率は依然として低い水準にとどまっているため、更なる参加促進が必要です。
今後の対策
今回の調査結果を踏まえ、静岡県では以下の対策を強化していきます。
- 「わたしの避難計画」の作成促進:
- 各家庭での避難計画作成を支援し、自助意識の向上を図ります。
- 家庭内備蓄の普及:
- 食料・飲料水だけでなく、携帯トイレなどの備蓄を推奨します。
- ローリングストック法の普及を通じて、備蓄量の増加を促します。
- 防災訓練・自主防災組織活動の活性化:
- 地域における防災訓練への参加を促進し、共助意識を高めます。
- 自主防災組織の活動を支援し、地域防災力の向上を図ります。
おわりに
南海トラフ地震は、いつ発生してもおかしくないと言われています。日頃から地震に備え、家族や地域と協力して防災対策に取り組むことが重要です。今回の調査結果が、皆様の防災意識向上の一助となれば幸いです。


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