北海道東部に位置する白糠町は、太平洋に面し、地震発生時には津波のリスクが高い地域です。特に、町の中心部は海抜が低く、高台や避難タワーが近くにないため、迅速な避難が困難とされています。このような背景から、白糠町は新たな津波対策として「津波救命艇」の導入を決定しました。

津波救命艇とは?
津波救命艇は、船舶に搭載される救命艇や小型船の技術を応用した、浮揚式の津波避難設備です。強化プラスチック製で、最大28人を収容可能。転覆しても自動的に元に戻る自立構造を持ち、酸素供給や簡易トイレ、非常食なども備えています。高台や避難タワーへの避難が困難な地域において、避難弱者を含む住民の命を守る「最後の砦」として期待されています。
白糠町の取り組み
白糠町では、津波災害警戒区域に指定された地域が多く、最大で6.3メートルの浸水が想定されています。町の想定では、最悪の場合、町民の約7割にあたる5千人が犠牲になる可能性があるとされています。このような危機的状況を受け、町は津波避難タワーの建設や、閉校した小学校舎の屋上を避難場所として整備する計画を進めています。
さらに、2023年12月には、町内の避難困難地域に津波救命艇を配備し、地域住民を対象とした説明会を開催しました。住民たちは実際に救命艇に乗り込み、設備や避難手順について学びました。この取り組みは、地域全体で防災意識を高め、いざという時に迅速に行動できる体制を築くことを目的としています。
地域住民との連携
白糠町の津波対策は、行政だけでなく、地域住民との連携によって進められています。避難訓練や防災教育を通じて、住民一人ひとりが自らの命を守る意識を持つことが重要です。また、地域の特性や住民のニーズに合わせた柔軟な対策が求められています。
まとめ
白糠町の津波救命艇導入は、避難困難地域における新たな津波対策のモデルケースとなり得ます。高台や避難タワーがない地域でも、住民の命を守るための選択肢として、今後の防災対策において注目される取り組みです。地域全体で防災意識を高め、迅速な避難行動が取れるよう、引き続きの取り組みが期待されます。


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