
2025年5月、日本政府が南海トラフ巨大地震を想定した津波対策において新たな指針を発表しました。とりわけ注目を集めたのは、静岡県の沿岸部における海岸堤防の整備目標を従来よりも厳格化し、「満潮時に最大クラスの津波が来ても住宅が流されない高さ」を基準に設定する方針です。
しかし、この対策は“すべての地域”を守るものではありません。堤防のかさ上げが実現するのは一部の地域にとどまり、地形的に困難なエリアやコスト的に採算が合わない場所では、堤防整備が見送られるケースも出てきます。これが意味するのは、「津波からの完全な安全は約束されない」という厳しい現実です。

では、私たちはどう備えるべきなのでしょうか。
「逃げる」ことの限界──避難困難地域が直面する課題
南海トラフ地震では、発生から津波到達までわずか数分~十数分とされ、速やかな避難行動が求められます。政府も「自分の命は自分で守る」という“自助”の原則を繰り返し強調しています。
しかし現実には、避難場所が遠い/足が悪い/高齢者や乳幼児がいる/道路が渋滞するなど、迅速な水平避難(高台への移動)が難しい人々が多数存在します。
また、近年整備が進む垂直避難施設(津波避難タワー)も、すべての地域に整備されているわけではありません。アクセス可能な施設がない地域では、“逃げたくても逃げられない”状況に陥るリスクがあります。
「救命いかだ」という第三の選択肢
こうした背景の中、私たち「Tsunami Safe」が提唱しているのが、船舶用救命いかだを津波避難手段として活用する『第三の避難』です。
救命いかだは、本来は沈没船からの脱出用として設計された装備ですが、
- 自動膨張式で迅速に展開
- 安定性が高く転覆しにくい
- 頑丈な素材で浮力を保持
- 遮熱性と気密性に優れ、冷えや直射日光から身を守る
といった特徴を持ち、津波の衝撃にもある程度耐えうる“浮上型シェルター”として注目されています。
もし万が一、避難タワーにたどり着けなかった場合でも、救命いかだがあればその場で「生存確率」を高める手段となり得ます。
これは「最初の選択肢」ではなく、あくまで“補完的な最後の砦”です。ですが、この“もう一手”があるかないかが、生死を分ける可能性は決して小さくありません。
「逃げられない場所」をどう守るか─一人ひとりの選択が地域を変える
政府の対策強化は歓迎すべき一歩ですが、それは“部分的”な防御であることを、私たちは忘れてはなりません。全ての命を守るには、最前線で暮らす住民自身の防災意識と工夫が不可欠です。
現在、船舶用救命いかだは一般向けにも入手可能で、企業・自治体での導入も始まりつつあります。避難施設の整備が追いつかない地域や、高齢者・障害者を抱える家庭にとって、この「第三の避難手段」は重要な命綱となるでしょう。
最後に──「備えていない」という不作為が、最大のリスク
災害が起きた後に「もっと備えておけば」と悔やんでも、命は戻ってきません。
「備えていたけど、使う機会がなかった」
それこそが最高の結果であり、“準備して損する”ことは決してありません。
救命いかだは、単なる“モノ”ではなく、家族の命を守るための「安心の種」です。
あなたの町に避難タワーがなければ、まずはこの選択肢を検討してください。
「どんな津波でも、誰も取り残さない」──その未来を、一緒につくっていきましょう。




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