北海道が2025年6月3日に公表した日本海沿岸の大規模地震・津波被害想定は、地域住民に大きな衝撃をもたらしました。特に後志管内島牧村では、最大で村民の8割超、約1200人が津波によって犠牲となるという厳しい数字が示され、「最悪の想定」として村長も言葉を失うほどです。

津波到達まで“わずか数分”――逃げ切れない現実
今回の被害想定が太平洋沿岸と大きく異なるのは、津波の到達時間です。日本海沿岸では、地震発生から最短4分で高さ20メートル級の津波が押し寄せるケースも想定されており、これは住民が避難を開始してから安全な場所に到達するまでの猶予が極めて短いことを意味します。
島牧村をはじめとする多くの集落は海岸沿いに立地しており、避難経路は限られています。主要道路である国道229号が寸断されれば、救援物資の供給も滞る恐れがあります。こうした地理的・インフラ的制約が、早期避難の徹底を困難にしているのです。
ハード対策の壁――財源不足と時間的制約
1993年の北海道南西沖地震以降、防潮堤や高台への避難階段などハード面の整備は進められてきました。しかし、今回の想定ではそれでもなお甚大な被害が予測されています。避難施設の整備や集落の高台移転といった抜本的な対策は、財源や時間の面で大きなハードルがあります。国の支援強化が求められているものの、すぐに実現できる状況ではありません。
“今”できる現実的な命綱――船舶用救命いかだの活用提案
こうした中、Tsunami Safeでは「集落の高台移転」など恒久的な対策が進むまでの“暫定策”として、船舶用救命いかだの活用を強く提案します。
救命いかだは、もともと船舶事故時に乗員の命を守るために設計された耐久性の高い救命装置です。津波発生時、短時間での高台避難が困難な場合でも、いかだに乗り込むことで一時的に水上で安全を確保できます。特に以下のような地域で有効です。
- 海岸沿いに住宅が密集し、避難経路が限られている集落
- 高齢者や要支援者が多く、迅速な避難が難しい世帯
- 道路寸断や建物倒壊のリスクが高い地域
救命いかだは、設置や保管スペースが比較的少なくて済み、複数人が同時に利用できるため、集落単位での導入も現実的です。いかだの配備と並行して、地域住民への操作訓練や、設置場所の周知徹底を図ることで、いざという時の命綱となります。
地域防災の新たな選択肢として
北海道が示した「最悪の被害想定」は、決して他人事ではありません。避難施設の整備や集落移転には時間がかかりますが、津波はいつ襲ってくるか分かりません。だからこそ、「今できること」に目を向ける必要があります。

Tsunami Safeは、船舶用救命いかだの導入を、津波による犠牲者を一人でも減らすための現実的かつ即効性のある暫定策として提案します。地域の皆さんが自分や家族の命を守るため、今一度、身近な防災対策を見直し、“いざ”という時に備えましょう。
津波は待ってくれません。「備え」は、いまこの瞬間から始められます――。





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