~柔軟な再配置とコスト削減を実現する新たな防災ツール~
自動膨張式救命いかだ(inflatable liferaft)は、もともと船舶の沈没など緊急時に乗員の命を守るために開発された救命設備です。国際的な安全基準(SOLAS条約、ISO9650など)を満たし、衣服を着た大人一人あたり82.5kg×人数分以上の浮力を確保するなど、多数の厳しい規定をクリアしています。
自動膨張いかだの特徴
救命いかだ開封デモ動画はこちら↓
スーツケースサイズのボックスから10名乗りの船舶用救命いかだがわずか数分で完成します!
- 高い安全性
救命いかだは、救命ボートと同様に身体全体を水面から離す構造で、安全性が高いのが大きな特徴です。ライフジャケットのように畳んで収納でき、持ち運びも可能なため、必要な場所に柔軟に設置できます。さらに、複数の層(気室)に分かれて空気が注入される設計となっており、一部が瓦礫などで破損し穴が開いた場合でも、残りの気室で浮力を維持できる仕様です。これにより、津波や洪水時に漂流物が衝突した場合でも、いかだ全体が沈むリスクを大幅に低減しています。 - 簡単な展開手順
収納状態から数メートルロープを引き出すと赤い印が現れ、さらに勢いよくロープを引くことでガスボンベが作動し、数十秒で自動的に膨張します。膨張後ははしごを使って乗り込むことができ、万一転覆しても復元手順が用意されています。 - 多様なサイズ展開と柔軟な配置
4人用から100人用まで多様なサイズがあり、設置場所や用途に応じて最適なものを選べます。たとえば4人部屋には4人用、6人部屋には6人用を配置するなど、迅速な避難を優先した柔軟な運用が可能です。
価格・仕様比較
| 定員 | 標準価格 (税別) | 格納時サイズ(cm) | 展開時サイズ(cm) | 重量 |
|---|---|---|---|---|
| 4人用 | コンテナ245千円/バッグ230千円 | 75×32.5×48 | 127×127×120 | 32kg (コンテナ) |
| 6人用 | コンテナ265千円 | 76×33.5×53 | 148×148×125 | 35kg |
| 8人用 | コンテナ285千円 | 77×34×54 | 174×174×130 | 38kg |
| 10人用 | コンテナ305千円 | 82.5×35×57.5 | 188×188×140 | 42kg |
| 25人用 | コンテナ650千円 | 直径74×148 | 337×477×160 | 130kg |
1人あたりのコストは定員が多いほど割安になりますが、25人用は格納時130kgと重量が大きく、乗り込みにも時間がかかるため、迅速な避難には小型のいかだを複数配置する方法も有効です。
他の避難手段との比較
| 種別 | 救命艇 | 救命シェルター | 救命いかだ |
|---|---|---|---|
| 材質 | FRP/アルミ | FRP | 強化ナイロン +ゴム引き布 |
| 価格 | 52万円/人 (25人用1,300万円) | 13~40万円/人 | 3~6万円/人 (25人用65万円) |
| 重量 | 3,200~4,700kg | 80~1,300kg | 26~130kg |
救命いかだは他の選択肢と比べて圧倒的に軽量(持ち運び易い)・低コスト(導入し易い)で、施設の増改築や高額なシェルター設置に比べて導入しやすく、再配置も容易なため、費用対効果が高いです。
施設・現場での導入事例
- 高齢者施設
静岡市の「ラナシカ三保の松原」では、想定を超える津波に備え、屋上に25人用救命いかだ5台を配備。入所者50人に加え、地域住民の避難も想定し、毎年避難訓練を実施しています。施設職員だけで高齢者を上階に避難させるのは困難なため、地域と協力して運用しています。 - 港湾土木・運送会社・医療機関
港湾土木会社や物流拠点、クリニックなどでも導入されており、用途や設置場所に応じて4~10人用などを使い分けています。
要配慮者・高齢者施設での有効性
日本では津波リスクのある地域に高齢者施設や障害者就労施設が多く、災害時の避難が大きな課題です。特に夜間や少人数体制時には、要配慮者を短時間で安全に避難させるのが難しい現状があります。
自動膨張いかだは、
- ベッドから最短距離・最短時間で避難可能
- 介護者も高齢化する中、搬送の負担を大幅に軽減
- 浸水や障害物で車椅子が使えない場合でも有効
といった利点があり、災害時の「合理的配慮」としても注目されています。
津波・水害対策としての意義
津波避難タワーや救命艇は高額・重量物で設置や運用に制約がありますが、自動膨張いかだは
- 低コストで導入可能
- 必要に応じて再配置できる柔軟性
- 浮力があるため想定を超える津波高にも対応
というメリットがあり、特に「共助」が困難な高齢化地域や、要配慮者が多い施設での現実的な避難手段として期待されています。
まとめ
船舶用自動膨張いかだは、船舶だけでなく、陸上の高齢者施設や障害者施設、工場など多様な現場で「命を守る最後の砦」として活用が広がっています。
- 迅速な避難・柔軟な運用・低コスト
- 要配慮者や高齢者にも配慮した設計
- 施設改修や高額な避難設備に代わる現実的な選択肢
として、現在世の中に存在するフローティングデバイスとして今後切り札となる存在です。
「災害時に要配慮者が自力で安全確保できる施策が重要。救命いかだは要配慮者の勤務場所に応じて移動可能であり、災害時の合理的配慮としても有効です」



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