南海トラフ巨大地震が現実味を増す中、津波対策は今やすべての沿岸地域の最重要課題です。国の最新被害想定では、最悪の場合、津波による死者は21万5000人にのぼるとされますが、地震直後の迅速な避難によって、その数を約7割も減らせることが明らかになっています。しかし、現実には避難行動や避難先に課題が山積しているのが実情です。

津波避難の現状と課題
現在、津波避難の主な方法は「垂直避難(高い建物への避難)」と「水平避難(高台や内陸への移動)」の2つです。全国では津波避難ビルの指定が進み、2023年4月時点で1万4726棟が指定されています。大阪府だけでも2150棟にのぼり、2年間で約30%増加しました。
しかし、最新の調査では、避難ビルの認知度は依然として低く、大阪・梅田地区では約9割の人が「津波避難ビルを知らなかった」と回答しています。また、「どこに避難するか」という問いに対し、実際には存在しない「高台」を挙げる人が4割に達し、具体的な避難先をイメージできていない現状も浮き彫りになりました。
さらに、避難ビルの多くは業務用の非常階段を利用する必要があったり、エレベーターが停止した際のアクセスに課題が残るなど、誰もが安全に避難できる環境とは言い切れません。
「第三の避難」―救命いかだという選択肢
こうした中で注目されているのが、船舶用救命いかだを活用した「第三の避難」方法です。従来の垂直・水平避難が困難な場合や、避難ビルが近くにない、足腰が弱く移動が難しい、あるいは都市部のビル群で避難経路が混雑する―そんな時に、救命いかだが命を守る“最後の砦”となる可能性があります。
救命いかだは、もともと船舶の非常時に人命を守るために開発されたもの。自動膨張式で、短時間で展開でき、複数人が安全に乗り込める設計です。津波襲来時、迅速な展開と乗り込みができれば、流されても内部で生存できる確率が高まります。
救命いかだの具体的なメリット
- 設置場所の柔軟性:自宅や事業所、公共施設など、避難ビルがない場所にも備蓄可能。
- 迅速な展開:地震発生後、短時間で膨張・使用開始できる。
- 高齢者・障がい者対応:移動が難しい方でも、その場で避難手段を確保できる。
- 多様な災害対応:津波だけでなく、水害や洪水時にも活用可能。
「選択肢の多様化」が命を守る
南海トラフ巨大地震のような大規模災害では、「想定外」が必ず起こります。避難ビルや高台への移動が間に合わない、混雑や建物の損壊で避難ができない―そんな時、救命いかだという“第三の選択肢”があれば、命を守るチャンスが広がります。
もちろん、避難ビルや高台への避難が最優先であることに変わりはありません。しかし、すべての人が同じ方法で避難できるわけではない現実を直視し、多様な避難手段を備えることが、これからの津波対策の新常識です。
未来へ向けて――備えの一歩を
「津波による犠牲者を一人でも減らすために」、私たちは今、避難の選択肢を広げることが求められています。救命いかだの導入は、地域や家庭、企業が自らの命を守るための“自助”の最前線です。今こそ、あなたの身近な場所に“第三の避難”を備えませんか?
津波避難の新常識―救命いかだで、守れる命があります。




コメント