2025年3月、国の有識者会議が発表した「南海トラフ巨大地震」の新たな被害想定は、全国で29万8000人もの死者が出るという衝撃的なものでした。中でも静岡県は、全国最多となる10万3000人の死者が想定され、関係者や住民に大きな不安と困惑をもたらしています。
しかし、こうした国の想定に対し、静岡県をはじめとする自治体は「現場の努力や対策が十分に反映されていない」と強い不満の声を上げています。静岡県ではこの10年間、防潮堤の建設や避難体制の強化など、先進的な「静岡方式」とも呼ばれる地震・津波対策を積極的に進めてきました。その結果、2023年には「死者数を8割減少させた」とする減災効果も発表されています。
それにもかかわらず、国の被害想定はほとんど変わらず、「最大クラスの地震には耐えられない」という理由だけで、こうした努力を「減災効果ゼロ」と評価してしまっています。静岡県の川勝知事(当時)も「現実の取り組みをきちんと評価すべきだ」と繰り返し訴えてきました。

防潮堤だけでは守りきれない現実
静岡県が力を入れてきた防潮堤整備は、総工費330億円にも及ぶ巨大プロジェクトです。しかし、国の評価は厳しく、「M9クラスの巨大地震・津波には効果が限定的」とされてしまいました。実際、津波の規模や到達時間、地形の違いなどにより、防潮堤だけで全ての命を守ることは難しいのが現実です。
また、津波避難の基本とされる「垂直避難(高い建物や高台への避難)」や「水平避難(遠くの安全な場所への避難)」も、現実には高齢者や障がい者、移動が困難な方々にとってはハードルが高い場合があります。さらに、夜間や悪天候、道路渋滞など、さまざまな要因で避難が遅れるリスクも指摘されています。
命を守る“第三の選択肢”――救命いかだの可能性
そこで、当サイト「Tsunami Safe」が今、強く推奨しているのが船舶用救命いかだを活用した“第三の避難の選択肢”です。
救命いかだは、もともと船舶事故時の緊急避難用として開発されてきたものですが、津波災害においても高い有効性が期待されています。具体的には、以下のような特徴があります。
- 浮力と耐久性:津波の強い流れや漂流物にも耐えうる設計で、長時間の漂流にも対応可能。
- 設置の柔軟性:自宅や地域の集会所、公共施設などに常備でき、発災時にすぐに利用できる。
- 避難困難者への対応:高齢者や障がい者、乳幼児など、移動が困難な方でも乗り込むだけで安全確保が可能。
- 集団避難が可能:複数人が同時に避難でき、家族や近隣住民と一緒に命を守れる。
実際、海外では津波や洪水対策として救命いかだの導入事例が増えており、日本でも自治体や企業による導入が進みつつあります。特に、沿岸部の住宅や福祉施設、学校などでは、垂直・水平避難を補完する“第三の選択肢”として、救命いかだの常備が現実的な対策となり得ます。
「備え」の多様化で、津波による犠牲者ゼロへ
国の被害想定が示すように、南海トラフ巨大地震の脅威は依然として非常に大きいものです。しかし、自治体や地域住民の努力、そして新たな技術や避難手段の導入によって、私たちは“命を守る選択肢”を増やすことができます。
防潮堤や従来の避難方法だけに頼るのではなく、救命いかだのような新たな避難手段を組み合わせることで、より多くの命を守ることができるはずです。特に、避難が困難な方や、避難経路が限られる地域では、救命いかだの導入が「最後の砦」となる可能性もあります。
当サイト「Tsunami Safe」では、今後も最新の防災情報や避難手段の紹介、救命いかだの活用事例などを積極的に発信していきます。皆さんもぜひ、ご自身やご家族、地域の防災計画を見直し、“第三の選択肢”としての救命いかだの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
津波から一人でも多くの命を守るために――。備えの多様化が、未来の安全をつくります。




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